10月29日、高原山の八方ヶ原(矢板市)にある「おしらじの滝」へ写真を撮りに行ってきました。
10月12日に伊豆半島に上陸し、東日本各地に甚大な被害を出した台風19号は 、八方ヶ原の地に「幻の滝」を遺していきました。
私はこの幻の滝のことは、家族旅行や保育園の運動会などですっかり忘れていました。
10月28日、出勤前に地元の新聞を読んでいると、幻の滝が出現しているとの記事が掲載されていました。
「あっ~ そうだ!!」と思い出しました。
そして翌日が休みだったので写真を撮りに行くことに。
でも翌日は雨の予報。
朝起きると予報どおりに外はどんよりと曇り空。
小学1年生の孫を学校(集合場所)まで送っている間に雨がポツリ・ポツリと落ちだし次第に本降りとなり行くのをやめるか迷いました。
が次の休みの日などといっていたら幻の滝が消滅してしまう、この機会を逃したら次はいつみられるかわからないと思い、とりあえず行くだけ行ってみようと決断し出発、現地に向かいました。
この決断は間違っていなかった。
現地は雨が降っていたものの小降りでほとんど気にならず。
早速撮影の準備をし雨でぬかるんだ山道を慎重に下り滝つぼを目指しました。
展望台に着くと、50代位の男性1人しかいませんでしたが、すぐに三脚をたたみ撤収をはじめ、ほんの数分話をしたあと帰っていきました。
そのあとは、この美しい光景を私が独占し、思う存分にじっくりと撮影を楽しむことができました。そして、そろそろ撤収して帰ろうかなと思い始めたころに2組の高齢者のグループが下りてきて、し~んと静まりかえっていた静寂な森がざわつき始めました。
なぜ、この滝が「幻の滝」といわれるのか。
それは普段は水が流れていません。
台風や大雨の後になると水が流れる滝となるからです。
以前はこの幻の滝「おしらじの滝」は、一部のカメラマンしか知らない、秘密の撮影スポットでした。
ところが2,3年前(私の記憶では)に地元の新聞「下野新聞」に幻の滝の記事が掲載され、一般の観光客も知ることになり訪れるようになりました。
私もこの時に初めて幻の滝の存在を知りました。
この場所を通ったことはあるのですが、その存在する知りませんでした。
こんな山奥の道も整備されていない滝に、多くの一般の観光客まで訪れるようになったのか、それはこの滝の美しさにあると思います。
天気の良い晴れた日には、太陽の陽ざしが差し込み滝つぼに反射し、神秘的なエメラルド色に染まり幻想的な雰囲気を醸し出し、それは素晴らしい光景だそうです(私はまだその最高の瞬間に出会ったことがない)。
雨の日でもこれほどの素敵なエメラルドグリーンに輝くのですから。
今はちょうど紅葉の時期でもあり、紅葉と滝の白い流れ、エメラルド色の滝つぼが見事にマッチし、その素晴らしい光景に魅了されてしまいます。
今までは撮影モードをP(プログラム)モード一辺とで、露出補正だけを調整するカメラお任せで撮っていましたが、それではつまらないので、今までにほとんど使ったことがないS(シャッター優先)モードにして、シャッタースピードを変えたりISO感度を変えたりと色々変えて撮ってみました。
幻の滝を独占状態でしたので周りを気にせず、のんびりじっくり撮ることができました
初挑戦です。
自分なりにいい写真が撮れたと自負しています。
撮影モードをS(シャッター優先)モード、シャッタースピードを3.2秒に設定し、岩の上から糸のように流れ落ちる様子を撮ったのですがうまく表現できなかったです。
三脚から外したあとだったので手持ちで撮りました。どうしても大きくぶれてしまい、柵の上に肘をのせ身体を安定させ撮れたのがこの1枚です。
滝つぼ下の川床です。
5月にきた時は、自由に出入りでき好きなポイントから写真を撮ることができたのですが、すでに立ち入り禁止の措置がされていました。
滝つぼに下りてきた後期高齢者のグループ
この写真を撮っている方が、岩を上って私のそばにきて、スマホの写真見せながら5月に来た時の「おしらじの滝」の様子を語ってくれました。
2人で話をしていると、いつの間にか皆さんが滝の前に並び、「早く撮って」とばかりにこちらを見ていました。
この後全員そろってパチり。
ここが滝つぼにある「おしらじの滝」の展望場所です。
今年の5月にきた時にはこのようにロープは張られていなかったのですが。
立ち入り禁止の安全対策がしっかりとこうじられています。
この岩のてっぺんに三脚をセットして撮影しました。
ここが滝つぼ(岩の後)です。
この柵の向こう側が滝です。
危険なので出ないようロープが張られていました。
土木工事業者が入り、道沿いに樹脂製の柵を設置し道の整備をしていました。
道はこのように木の根っこが張り出したり、岩や石ころなどがゴロゴロして未整備です。
入口を入るとすぐに未整地の足場の悪い急斜面になります。
ここを下っていくと10分程度(天気が良く、若く足腰の丈夫な人)で滝つぼにつきます。
「おしらじの滝」の駐車場(山の駅たかはらから約2㎞程度)
この奥が滝への入口です。
工事業者の車も停まっています。
駐車場の全景です。
手前が塩原・新潟方面、奥が矢板方面になります。
おしらじの滝周辺の案内MAP
MAP中央の滝の地図標識とPマークがあるところが「おしらじの滝」です。
赤い点線で表示されている「スッカン沢」は、台風19号で破壊され通行できなくなり、通行止めの案内が掲示されていました。
山の駅たかはらのスタッフによると、通行できるようになるのは何年先になるかわからないそうです。
全く復旧の見通しが立っていないといっていました。
「おしらじの滝」上流(道路わき)の流れ。
道の駅「たかはら」の紅葉
台風19号により山の駅「たかはら」に通じる道路(矢板方向から)は、豪雨の水の流れによって深くえぐられ破壊されています。
他にも数か所で台風の爪痕跡がのこされています。
道路わきの森の中には豪雨により深い溝ができています。
今年の5月に行った時の「おしらじの滝」の記事です。
この時は、水も流れていなく、滝へ下りる道も全く整備されておらず、安全対策は講じられていませんでした。
ここ「おしらじの滝」は、他の観光地のように道や展望台がよく整備されている場所ではありません。
滝へ下りる道は、木の根っこが張り出し、石ころや岩がゴロゴロしている、未整備の急な斜面で、雨が降ればグチャグチャとなり滑り転倒などケガをする恐れがあります。
気軽にカジュアルな街着で入る場所ではありません。
登山服装で入るのがベターですが、最低限靴はトレッキングシューズ(登山靴)、なければ滑りにくいスニーカを着用してください。
ハイヒールで入る人などはいないと思いますが。
街歩き用のカジュアルなシューズはやめたほうがいいでしょう。
自らの身を守るためにも。
熊も出没します。
一般の観光客にも知れ渡るようになり、高原山に紅葉などの見物に来たついでに立ち寄る人が増えています。
観光バスも立ち寄るそうです(今日滝つぼであった人が話していました)。
今までは滝つぼの周りに自由に入れ、好きな場所から写真を撮れたのですが、多くの人が訪れるようになり、安全上から滝つぼは規制されロープが張られ入れなくなっていました(5月に行ったときはまだ自由に入れた)。
展望台は大変に狭く一度に入れるのは10名前後程度です。
矢板市の観光協会も幻の滝を観光スポット化しようと、積極的に広報アピールを行い県内外からの誘客を図っているようで、訪れる人が増えています。
そのようなことから観光客の安全を図るため、幻の滝への道の整備を始めたようで、写真にあるように滝への道の整備をはじめました。
どの程度まで整備されるかわかりませんが、いずれにしても自然環境の保護、景観を守るという観点から考えても、舗装したりコンクリートの階段を設置するなどはあり得ません。
入る際には山奥の未整備の急斜面ということを念頭に置いていてください。