またまたアサギマダラに出合いました。
7月26日に「ゆり博」が開催されている、那須塩原市のハンターマウンテンユリパークへ百合の花を撮りに行ってきました。
そして思いもかけず、渡りをする不思議な蝶「アサギマダラ」に再会することができました。
ユリを撮りながらパーク内を歩いていると、看板か標識らしきものが立っているのが目に入ってきました。
最初はパークの案内標識か注意標識程度にしか思わず、気にもしていませんでした。
それよりも目の前のショウブとタチアオイに魅かれ、そちらの写真を撮っていました。
<ショウブ>
<タチアオイ>
<立てられていた看板>
ショウブとタチアオイの写真を撮っているときに、1組のご夫婦(!?)らしき人が、この看板の前に立って話をしている姿があり、その姿を横目で見て気になりはじめました。
「なにがあるのだろう」と。
その看板があるのは、写真のようなパークの外れの野草がたくさん茂っている場所、ほとんどの人が立ち寄ることもなく素通りしています(順路から少し外れている)。
私は気になったので、雑草しか茂っていないその看板のところまで行ってみました。
すると、なんと~ “アサギマダラ飛来中“との案内が。
やった~(^▽^)/
またアサギマダラを見れる(撮れる)と。
しかしアサギマダラの姿が見えません。
ヨツバヒヨドリの花がたくさん咲いている左へ少し移動して探すと、いました雑草の中に隠れ花の蜜を吸っているアサギマダラが。
数は3、4匹ほどでしたか。
夢中で写真を撮っているといつの間にか5,6人ほど人が集まってきていました(私と同年代くらいのお年寄り)。
順路から外れて奥まった、雑草しか茂っていないような場所に。私がカメラを構え写真を撮っているので気になったのかな。
それにしてもお年寄りは賑やかだ。
ぺちゃくちゃ、ぺちゃくちゃとしゃべりまくる。
これが野鳥だったら‶アウト‶終わりだ~。
場所を譲り、本来の目的のユリの撮影にシフト。
<ヨツバヒヨドリの花で吸蜜するアサギマダラ>
撮 影 日:2018年7月26日
撮影場所:栃木県那須塩原市ハンターマウンテンユリパーク
アサギマダラは、毒性の強い(アルカロイド)ガガイモ科の植物をを食草とし、雄はフジバカマによく集まるようです。
フジバカマには、ピロリジジンアルカイドという毒性の物質が含まれていて、雄はこの物質を取り込まないと性フェロモンが分泌されず、子孫を残せないようです。
ここユリパークでも、日光キスゲ平でも、ヨツバヒヨドリの花にしか集まっていない理由がわかりました。
周囲にはユリやショウブなどの花がたくさんあるにも関わらず。
アサギマダラは2000㎞以上も長距離移動をします。
初夏から夏にかけ本土で過ごしたアサギマダラは、秋になると暖かい南西諸島や台湾へ長距離移動をします。
なぜ長距離移動をするのかはまだ解明されていないようです。
長い間アサギマダラは、ギジョランを食べて越冬すると考えられていました。ところが沖縄本島で観察をしていた人が4月の中・下旬ころと秋の10~11月のある日、突然ものすごい数のアサギマダラが現れたと思ったら、数日で全く見られなくなったそうです。その後、食草を調べましたが卵も幼虫も発見できなかったそうです。
このことから、沖縄で見られたアサギマダラは、集団で移動する途中に立ち寄っただけではと考えられました。
そこで、1980年から鹿児島をはじめ全国の有志によって、翅に油性ペンでマーク(マーキング)をつけて放し、次にその蝶が見つかったところを結び移動経路を調べようという調査が開始されました。
<マーキングしたアサギマダラ>
(驚異の飛翔2200㎞アサギマダラの神秘より)
その結果,アサギマダラは春に北へ、秋に南へ移動することが判明しました。
<分かってきた渡りのルート>
(驚異の飛翔2200㎞アサギマダラの神秘より)
海を越えていく、命を懸けた物凄い旅ですね。
こんな小さなチョウのどこにそのパワーが秘められているのでしょうか。
〇 アサギマダラのマーキングのやり方(マニュアル)は「信州アサギマダラ研究会」のページで詳しく説明されています。↓
http://www005.upp.so-net.ne.jp/J-BAT/asagi/asameth.htm
〇 「生きもの情報ナビ」さんのページも参考にさせていただきました。こちらには幼虫のことも書かれています。↓
http://living-creature.com/chestnut-tiger/
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